2023/7/12
― PROFILE ―
西入 俊浩(にしいり・としひろ)氏
1977年生、東京都出身。東海大学卒業後、社会人として企業に勤めた後、母校の東海大学菅生高校サッカー部GKコーチに。東京電力女子サッカー部マリーゼなどを経て、2006年よりJFAナショナルトレセンコーチ(女子GK担当/現 JFAコーチ)を務める。各年代の日本女子代表GKコーチを歴任し、2021よりなでしこジャパン(日本女子代表) GKコーチを担当する。JFA A級ライセンス取得、JFA ゴールキーパーA級ライセンス取得。
※インタビューは2023年6月に行いました。
―― 西入さんが考えるゴールキーパー(GK)の魅力とは?
西入
サッカーにおいてGKはチームの中で特別な役割を与えられています。一人だけユニフォームが違って、グローブをつけて、手を使用できて、チームのゴールを守る最後の砦という責任を背負います。その分、自分のミスが直接失点につながるポジションだし、試合に負けると敗因としてフォーカスされやすく、本当に難しいポジションです。しかし、そんなネガティブな要素をも上回る楽しさがあり、大きな魅力がGKにはあります。なでしこジャパンのGKになるような選手は、みんなその楽しさを追求して今があると思います。なでしこジャパンの強化と同時に、私はこのポジションの素晴らしさを世に広めていきたいと常に思っています。
―― GKの育成において大事にしていることは?
西入
僕は育成年代のプロジェクトも担当しているので、世界で通用する選手を育成するために小学生、中学生、高校生から積み上げていくことが大事だと思って取り組んでいます。海外のリーグをチェックし、世界のトレンドを踏まえた上で、必要なことを伝えるように心掛けています。昔ならばGKはゴールを守るだけでよかったのが、今は多岐にわたった役割が求められます。チームの最後尾として攻撃の起点となり、最近はプレイエリアも広がったことで、足元の技術も要求されるようになりました。海外に比べて身体的に小柄な分、繊細な技術や日本人特有の良さを伸ばして、世界で戦える選手を育成していきたいと思っています。
―― GKの育成において大事にしていることは?
西入
僕は育成年代のプロジェクトも担当しているので、世界で通用する選手を育成するために小学生、中学生、高校生から積み上げていくことが大事だと思って取り組んでいます。海外のリーグをチェックし、世界のトレンドを踏まえた上で、必要なことを伝えるように心掛けています。昔ならばGKはゴールを守るだけでよかったのが、今は多岐にわたった役割が求められます。チームの最後尾として攻撃の起点となり、最近はプレイエリアも広がったことで、足元の技術も要求されるようになりました。海外に比べて身体的に小柄な分、繊細な技術や日本人特有の良さを伸ばして、世界で戦える選手を育成していきたいと思っています。
―― なでしこジャパンのGKコーチとして取り組んでいることは?
西入
なでしこジャパンの池田(太)監督の掲げるチームコンセプトに基づいたGKのタスクをコーチとして選手に伝えながら、攻撃に関わるところ、本質的にゴールを守るところを追求しています。JFAでは刻一刻と変わる世界の傾向をキャッチアップしていくテクニカルスタディグループ(TSG)を編成し、そのレポートに基づいて強化を進めています。それらは育成年代の強化にもつながり、中学生が対象の女子GKキャンプで我々が分析した情報をトレーニングで伝え、彼女たちが何年か後になでしこジャパンのGKに成長していく。そのサイクルに携われることは本当にコーチとして幸せだと感じます。
―― ワールドカップでチームのどのようなところに注目してもらいたいですか?
西入
2011年に佐々木則夫監督(当時)のなでしこジャパンが見せたGKを含めたチーム全員で世界と戦っていくという日本の良さを継承しながら、進化した現代のなでしこジャパンのサッカーを見せてもらいたいですね。ゴールを守るだけでなく、攻撃に長けた選手が今のなでしこジャパンにはいますので、チームの中でGKがどう関わっているのか、勝利に貢献しているのかをみなさんに見てもらいたいですね。それがGKというポジションの良さを知ってもらえる一番の機会だとも思います。
―― GK指導者としての歩みは今後も続いていくと思いますが、どんなビジョンを描いていますか?
西入
今、こうして代表で取り組んでいることに全力を注ぐことはもちろん、GKの素晴らしさを広く世に伝えることも私の使命だと思っています。現状はGKを子どもにやらせたいという親御さんは少ないかもしれません。しかし、親に褒めてもらえると子どもって本当に嬉しそうにプレーするんですよね。「ナイスキーパー!」って言ってくれるお母さん、お父さん、保護者の方をもっともっと増やしていきたい。また指導者養成、ライセンス講習会に来る指導者の方も含めて、サッカーに関わるすべての人にGKの楽しさを伝えて、一人でも多くの小さい子どもたちが「GKをやりたい!」と思ってもらえるように努力を続けていきたいと思います。