2022/11/10
― PROFILE ―
澤 穂希(さわ・ほまれ)氏
1978年生まれ。東京都出身。元なでしこジャパン(サッカー日本女子代表)のミッドフィールダー。
ワールドカップ 6大会、オリンピック 4大会に出場。2011年のFIFA女子ワールドカップ・ドイツ大会では、 なでしこジャパンの主将として、チームの初優勝に貢献し、大会MVPと得点王を獲得した。2011年度FIFA最優秀選手賞を受賞。日本代表での通算205試合出場と83得点は男女合わせた代表選手の歴代1位で、未だ記録は破られていない。現在は、一児の母として子育てに奮闘する中、女子サッカーの普及活動などにも精力的に取り組んでいる。
※インタビューは2022年10月に行いました。
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2019年2月に「『歩みをとめない』 澤穂希×Diversity」以来、約3年ぶりのご登場、ありがとうございます。10月9日のなでしこジャパン国際親善試合に先立ち「MS&ADサッカー教室 in 長野」にゲスト参加いただき、たくさんのお子さまと交流されて、いかがでしたか?
澤
初めてボールを蹴る子どもたちが多い中、最初は恥ずかしがっていても、やっていくうちに楽しそうに、
そして一生懸命取り組んでくれました。保護者の方々も息が上がりながらも楽しそうでしたね。
素晴らしいのは、親子で一緒にいられる時間、コミュニケーションを取る時間があったことです。これはすごく大事で、一緒に何かをやり遂げることがすごく良かったなと思いました。私も同じ年くらいの子どもがいるので、自分自身も楽しむことができました。
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澤さんは、女子サッカーの普及活動に、どのような想いで取り組まれているのでしょうか?
澤
2011年のFIFA女子ワールドカップ優勝後に、なでしこジャパンを目標にサッカーをやりたいという子どもたちがすごく増えました。女子サッカーの歴史を変えた瞬間、出来事だったと思います。今は少しその波が落ち着いているのが現実だと思いますが、なでしこジャパンが、子どもたちにとっての目標となる場であってほしいです。微力ながらも、私たちがサポートできる場があれば、できる範囲で少しずつ普及活動をやっていけたらと考えています。
私自身、子ども時代に釜本邦茂さんのサッカー教室に参加したことがありました。そのときに声をかけてくださったことをすごく覚えています。大人になって、釜本さんの記録(日本代表歴代最多得点)にチャレンジして、私自身が塗り替えることになるなんて、そのときは思ってもみませんでした。サッカー教室に参加した想い出が強く残っているので、今回、子どもたちが元選手に触れ合ったことで、将来につながる何らかのインパクトを得られたと信じたいですね。
―― 子どもたちとコミュニケーションをとるうえで、大切にされていることはありますか?
澤
いつも子どもたちに伝えているのは、「思っていることはちゃんと伝えていいんだよ」ということです。これから大人になっていくうえで、自分の思っていることをきちんと伝えて、ダメなことはダメ、違うことは違うと言える人になってほしいという思いがあります。子どもなのでもじもじすることもありますが、「それではちゃんと伝わらないよ」と伝えています。イベントで多くの子どもたちに会うときにも、積極的に話しかけるようにしています。そうすると、喜んでくれたり、こちらに声をかけてくれたり、質問が返ってきたりしますよね。人とコミュニケーションを取ること、思っていることをちゃんと伝えることを大切にしています。
―― チームでも、職場でも家庭でも「コミュニケーション」はとても大切ですね。
サッカー教室でも澤さんが参加者の方と積極的にお話されている場面が印象に残っています!最後に、今後、挑戦したいことを教えてください。
澤
2011年の女子ワールドカップ優勝メンバーが中心になって一緒に活動すれば、さらに良いことができると考えています。当時のメンバーは私のように引退した人、現役選手、海外をベースにしている選手と様々ですが、何か一緒にできることがあれば、と思って検討中です。
プライベートでは、スポーツ栄養学に興味があって勉強し始めました。その資格が取れたら、自信にもなりますし、さらにやりたいな、と追究しはじめる予感もしています。勉強は一生続くんだろうな、と思います。そういうことに向き合っている今がとても楽しいです。
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澤さん、2回目のご登場、誠にありがとうございました。
女子サッカーへの熱い想いがとても伝わってきました。
2023年に再び世界の頂点を目指して挑戦し続けるなでしこジャパンを私たちも盛り上げていきます!
▼10月2日「MS&ADサッカー教室 in 長野」の様子
https://www.jfa.jp/news/00030704/ (日本サッカー協会HP)