2024/7/12

 

― PROFILE ―

 

大塚 慶輔(おおつか けいすけ)氏

1977年、北海道出身。国際武道大学卒。2000年に日本スポーツ協会公認のアスレティックトレーナーの資格を取得し、筑波大学大学院体育研究科を経て複数のJリーグのクラブでフィジカルコーチを担当。2021年から「なでしこジャパン」のフィジカルコーチに就任し、選手のフィットネス強化に努める。AFCフィットネスコーチレベル2取得。。

※インタビューは2024年6月に行いました。

 
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―― 大塚さんが、なでしこジャパンのフィジカルコーチになったきっかけを教えてください。

 

 大塚 

女子サッカーにフィジカルコーチとして関わるようになったのは、2020年に大宮アルディージャを退団した直後に、JFAからU-16/U-19日本女子代表を担当するお話をいただいてからです。当時U-19日本女子代表監督だった池田太さんが、なでしこジャパン(日本女子代表)の監督に就任したタイミングで、「一緒にやってもらえないか?」とお誘いをいただきました。僕にはフィジカルコーチとしての価値を感じることが大きく2つあって、一つは監督から直接指名をいただけること、そして選手から「大塚さんとやってきてよかった」と言ってもらえることにあります。ビッグクラブだから、J1リーグだから、という「どこ」ではなく、フィジカルコーチとして「誰」と取り組むかを信条としています。

 

―― 大塚さんが思う「フィジカルコーチ」の役割を教えてください。

 

 大塚 

選手がケガをしないように積み上げていくのがトレーナーだとしたら、理想のパフォーマンスから逆算して、今何をすべきかを選手に示唆していくのがフィジカルコーチだと思っています。背の高い欧米の選手に勝つには相手の懐に入っていってぶつかっても負けない身体づくりをしなくてはなりません。例えば1年後にオリンピックが控えている状態で、その目標を達成するために何に取り組むべきなのかを明確に話してあげる。意識は変わっても身体はすぐには変わりませんからね。綿密な計画を立てる必要があります。

 

―― 大塚さんから見た今のなでしこジャパンの「強さ」を教えてください。

 

 大塚 

クラブチームであれば選手の取り組みをずっと見ることができますが、代表チームではそうはいかないし、もし選出されなかったら見ることもできません。そのジレンマは当然ありますが、なでしこジャパンの選手たちは僕の目の届かないところでもしっかり継続してくれる印象があります。これは女子スポーツ界全体にも言えることかもしれませんが、伸びしろがまだたくさんあると思っています。昨年の女子W杯でなでしこジャパンが証明したように、欧米の選手の直線的な動きに対してターンで切り返したり、動き続けたりという部分では世界でもトップのスキルを持っています。僕も育成年代から女子サッカーと関わるようになって積み上げてきたものがありますし、この強みを伸ばしていけば、世界にも通用するだろうし、金メダルを取れるチャンスは十分あると思っています。

 

※スポーツキッズ子育て応援メディア 「サカママ」 https://soccermama.jp/node/4747