2024年12月4日(水)、恵比寿本社センチュリーホールにて寄贈式が行われ、菅沼 菜々選手(あいおいニッセイ同和損保)が公益財団法人日本パラスポーツ協会へ賞金の一部を寄付しました。
 

 

広場恐怖症を抱える菅沼選手は、パラアスリートにエールを贈るともに前を向いて頑張りたいという意向のもと、今回で3年目の寄付となります。

寄贈式の様子
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寄贈式の様子

〇菅沼選手コメント
「プロゴルファーとして来年7年目となりますが、何か人のためにできることがあると思っています。もちろん優勝することだったり、スポーツ選手として結果を出すことがすべてですが、それ以上に誰かに元気を届けたり何かできればと思い、今年も寄付をさせていただきました。」

 

また同日には、あいおいニッセイ同和損保の社員向け講習会として、菅沼選手による今シーズンの振り返りや日本パラリンピック委員会委員長・河合純一氏による基調講演、また「スポーツ×多様性」をテーマにお二人によるトークセッションが行われました。

 

今シーズンの振り返り&基調講演

菅沼選手は今シーズンを振り返り、「今シーズンは自分の中でうまくいかないシーズンでしたが、来年に向けここから頑張っていくので応援お願いします!」と伝えました。
河合氏からは「パリパラリンピックの振り返り」とともに、「パラスポーツを通して考える共生社会」をテーマとしてお話ししていただきました。
共生社会についてミックスジュースとフルーツポンチに例え、「同じ混ざり合うでもフルーツポンチのように、お互いの良さをリスペクトし共に活かしあえる社会を目指すことが我々にとって大事なことだと思います。」と語られました。

 

菅沼選手 今シーズンの振り返り
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菅沼選手 今シーズンの振り返り
河合氏 基調講演
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河合氏 基調講演

トークセッション

トークセッションの様子を一部ご紹介します。
Q:競技(パラ水泳/ゴルフ)との向き合い方を教えてください
(菅沼)父と練習場に行ったことがきっかけで5歳からゴルフを始めた。友達と遊ぶことなく練習をしてきて、ゴルフが嫌になる時期もあったが、もし自分がプロになれなかったとしても、頑張ってきたことは人生において自信につながっていただろうと思う。
(河合)15歳の時に目が見えなくなり、ショックでしたが、両目が見えなくなったこと以外に、自分自身は「変わる必要」も「変える必要」もない。小さい時からの夢であった教師になる夢を追い続け、光は見えなくなったけど、夢を見続けることはできた。

 
Q:パリパラリンピックでは、多様性、共生社会といった部分ではどのように感じられましたか?
(河合)パリでは、(石畳やエレベーターの不足など)ハード面でのバリアフリーが進んでいたとは言えなかったが、その分を人々が行動で補っていた。また、今回のパリパラリンピックを契機に、ハード面のバリアフリー化を進めていくというポジティブな意思表示が見えた。

菅沼選手
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菅沼選手

Q:菅沼選手は社会還元についてどんな取り組みをしていますか?
(菅沼)JPSAへの寄付に加え、2024年は能登半島地震を踏まえ石川県への寄付を実施した。スポーツ選手として結果は大事だが、それ以上にスポーツ選手だからこそできることがあると思うので、人として成長していきたい。
(河合)とてもありがたい。今後はロールモデルになっていくと思っている。

 
Q:社員へのメッセージ
(菅沼)いつもご支援いただき、応援していただきありがとうございます。今シーズンは辛いシーズンでしたが、皆さんも辛いことや悩みがあると思う。2025年は、ゴルフで皆さんに元気や感動や勇気を届けられるよう、しっかり頑張っていきたい。
(河合)菅沼選手から寄付をいただき、我々は社会へ還元していく使命を託されたと思っている。障がいの有無を超えてスポーツを楽しめる地域・社会をつくることが大きな目標。「Impossible(不可能)」に一つの工夫(アポストロフィー)を一つ加えると「I’m possible(私はできる)」になる。そういったことを皆さんと一緒に伝えながら日本全体を良くしていきたい。

河合氏
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河合氏

トークセッション後には質疑の時間が設けられ、多くの社員から質問をいただきました。

Q.他の人よりも秀でていると思う部分は?
(菅沼)朝に準備が早いこと。目覚まし止めた後からの準備はものすごいスピードでできる。
(河合)音やにおいを覚えて歩く手掛かりにしていたので、そういう意味で記憶力。昔は電話番号を10人くらい覚えられていた。
 

Q.みなチャレ(※)について紹介がありましたが、みなチャレのように発達障害がある方が会社で働いている方と同じような仕事をする働き方に対してどう感じましたか?
(河合)面白い取組みと感じ、その先どのように活用されどのような効果があるかもっとお聞きできればと思った。
それぞれを活かしあえることが大事で、活かすために相手に何ができるか何が得意で何が苦手かを知ってもらうことも大切だと思う。自分らしさをうまく周囲の人に伝えていくということが誰にとっても重要な力と思っていて、普通に話せる環境があるとより職場とか地域とか仲間づくりが円滑に進むのではないかと感じた。

質疑の様子
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質疑の様子

(※)「みなチャレ」とは

男性の育児休業もしくは介護休業を取得する社員がいる職場の業務を、障がい者雇用社員で構成している「事務サポートセンター」が支援する仕組みです。2024年4月から各部門で支援をスタートしています。